ドル伸び悩み/自民総裁選後に政策修正も

本日のドル/円は伸び悩む値動きとなりそうです。具体的な手がかりが乏しいなか、長期金利や株価の上昇を背景にドル買い基調が続く見通し。ただ、米中通商摩擦による世界経済への懸念は根強く、ドル買い一巡後は円買いに押される可能性もあります。

予想外の株高で円売り継続

9月18日のドル/円はしっかり。アジア市場では、日経平均株価が大方の市場関係者の想定に反して大幅高となり、円売りが強まりドルを押し上げました。この日はアメリカのトランプ政権が中国に対する第3弾の制裁の発表を受け、貿易環境の悪化を理由に円買いに振れるとの見方が広がっていたので、短期筋などは「説明がつかない」と首をかしげていました。ドルのそうした値動きは欧米市場でも続きます。
NY市場では、中国政府が報復関税を発表すると安全通貨のドルが見直され、ショートカバーで112円30銭台まで強含みました。振り返ってみると、アメリカの10年債利回りが節目の3%を上回る高水準での推移やNYダウの急反発が好感され、ドルは上昇基調を維持したとみられます。本日のアジア市場でも日本株の大幅高が予想されており、リスク選好的な円売りでドルは112円半ば以上に上昇が見込まれます。
ただ、米中対立の激化で安全資産の米国債が買われれば金利は低下するため、それがドルの上昇を阻止すると予想します。

総裁選後は「アベノミクス」修正も

20日投開票の自民党総裁選は、国会議員405票、党員・党友の地方405票の計810票で争われます。このうち、安倍首相は議員350票を固めたとみられ、地方票が焦点。仮に280票前後を獲得すれば計630票程度、得票率は8割近くにのぼり圧勝となります。一方、対立候補の石破茂元幹事長は、目標とする議員50票、地方150票の計200票を獲得できれば、得票率25%となり、現職の首相に対しては大健闘といえるでしょう。
安倍首相の「3期目」は、憲法改正よりも消費増税が優先課題となる見通しで、石破氏も消費税10%引き上げの先送りは否定的。野党は来年の通常国会で結束して消費税問題を突破口に対決姿勢を強め、7月の参院選に臨むでしょう。与党に逆風となる参院選を安倍政権が無傷で乗り切れるとは思えず、勝敗ラインに到達しない可能性もあります。その際の自民党の動きは、今回の総裁選の結果によって変わってきます。
石破氏支持の農相に党幹部が辞表を求めているように、安倍首相の6年間にわたる締め付けは党内に不満を醸成しており、参院選は政権運営の大きな節目になります。総裁選で石破氏が存在感をアピールする立場にとどまれば、安倍首相の求心力に影響を残すかもしれません。安倍首相は前週の候補者討論会で「異次元緩和」を長期間継続して「いいとは思わない」と述べており、経済政策も修正を余儀なくされるでしょう。
日銀金融政策決定会合では緩和政策維持が見込まれますが、長期的に出口政策論議への思惑から円売りは限定的と予想します。
■主な注目材料
07:45 NZ4-6月期経常収支
08:50 日8月貿易収支
昼ごろ 日銀金融政策決定会合(2日目)
13:00 マレーシア8月消費者物価指数
15:30 日銀総裁記者会見
16:05 タイ中銀定例会合/政策発表決定
17:00 ポーランド8月生産者物価指数、工業生産高
17:00 ユーロ圏7月経常収支
17:00 南ア8月消費者物価指数
17:30 英8月消費者物価指数、生産者物価指数、小売物価指数
21:30 米8月経常収支、住宅着工件数、建設許可件数
22:00 ロシア8月失業率
休場:バーレーン、イスラエル、チリ

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする