ドルは底堅い/欧州リスクの警戒は後退、米中関係改善を材料視

本日のドル/円は底堅い値動きとなりそうです。ブレグジットやイタリア財政規律の問題はいったん後退し、安全資産のドルは軟化の見通し。他方、米中通商摩擦が緩和される方向を受け株高などを背景に円売りに振れやすく、他の主要通貨は下値が堅いでしょう。

メイ英首相の続投受け円買い後退

12月12日のドル/円は小反落。アジア市場では米中関係の改善で大幅高となった日経平均株価を手がかりに円売りに振れ、午前中に113円半ばまで浮揚しました。その後も日本株高や欧米株高観測で円売り地合いは続きましたが、ドルは113円50銭付近の売り圧力が下押し。イギリスの保守党がこの日、メイ党首(首相)に対する不信任投票実施を決め、市場は混乱を回避するムードが広がります。
欧米市場では、イギリスの政治情勢をにらみながらアメリカ10年債利回りが上昇し、ドルは底堅い展開に。一方、イタリア政府が予算編成で財政規律を遵守するスタンスが好感され、ユーロにも買いが入りました。保守党の投票は日本時間13日朝方に結果が判明し、メイ首相の続投を決定。懸念はいったん後退してクロス円は円買いが弱まり、ドル/円も投票前の113円10銭台から113円20銭台に回復して引けました。

ECB理事会の景気観測に注目

本日アジア市場早朝の取引で、ドル/円は113円20銭台で推移。この後は、引き続き米中通商摩擦の緩和への期待感を背景に円売り基調が続く見通し。また、イタリアの財政規律への姿勢が、ユーロを押し上げそうです。一方、イギリスの政局混迷は短期的には回避されたものの、欧州連合(EU)離脱合意案の議会承認に関しては依然として困難な情勢で、ポンド売り/ドル買い要因に変わりはありません。
今晩は、欧州中銀(ECB)理事会が焦点で、資産買入れプログラムの終了は織り込み済み。最近発表された経済指標のなかには域内総生産(GDP)のようにやや弱めのものも目立ち、景気認識や今後の見通しが注目されます。ECBが強気な見方を示した場合には、連邦準備制度理事会(FRB)の引き締めペース鈍化の観測からユーロ買いが強まるでしょう。それを避けるため、利上げシナリオは維持すると予想します。
本日は、米中関係の改善で安全通貨から資金流出が見込まれるほか、リスク要因が短期的に緩み円売りに振れやすい地合いとみます。
■主な注目材料
06:00 韓国11月輸入物価指数
09:00 豪HIA新築住宅販売戸数
11:30 シンガポール失業率
16:00 独11月消費者物価指数
17:30 スイス国立銀定例会合/政策発表
18:00 スイス国立銀総裁記者会見
ノルウェー中銀定例会合/政策発表
18:15 スイス11月生産者物価指数
18:30 南ア11月生産者物価指数
20:00 トルコ中銀定例会合/政策発表
イスラエル11月貿易収支
ブラジル10月小売売上高
21:00 ウクライナ中銀定例会合/政策発表
21:45 欧州中銀(ECB)定例会合/政策発表
22:30 欧州中央銀総裁記者会見
米11月輸入物価指数、失業保険申請件数
カナダ10月新築住宅価格指数
04:00 アルゼンチン11月消費者物価指数
休場:マルタ

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