米12月雇用統計の上振れで、経済の先行きを見極め

1月4日に発表された12月米雇用統計が堅調な内容となったことで、株価や長期金利が上向き、ドルは小じっかりの値動き。世界経済に対する減速懸念を払しょくしたわけではありませんが、過度な警戒はいったん収束したもようです。

失業率は悪化も賃金は改善

雇用統計は失業率が3.9%(予想3.7%、前回3.7%)と、半世紀ぶりの低水準が4カ月ぶりに悪化。一方、平均賃金は前年比+3.2%(予想+3.0%、前回+3.1%)と昨年1年間では最高の伸びを示しました。また、非農業部門雇用者数は前月比+31.2万人(予想+17.8万人、前回+15.5万人/修正後+17.6万人)と想定を大きく上回り、2月以来の水準となったほか、前回分も上方修正されました。

失業率は9-11月の3カ月間、1969年以来の低水準が続いていたため、ピークアウトの印象を受けます。ただ、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は先の記者会見で3.5%まで低下するとの見通しを示しており、1月以降の見極めが必要と思われます。また、広義の求職状況を示すU6失業率は10月の7.4%の後、2カ月連続で7.6%となり、やはり好不況の判断は難しい状況です。

雇用統計発表後はドル買い

雇用統計の発表後、NYダウは前日比500ドル超高に振れたほか、米10年債利回りは2.597%から2.658%と急激に上昇し、ドルを108円10銭から108円60銭付近まで押し上げました。中国の減速による世界経済の腰折れ懸念はなお続き、FRBの引き締め停止時期の前倒しは必至とみられますが、差し当たり前日の株価・長期金利・ドルの大幅安を巻き戻す手がかりとなったようです。

NY市場がこのまま堅調推移で取引を終えれば、来週発表されるアメリカの消費者物価指数や連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨に市場の関心が移ります。週明け以降は、それらの内容を見極める展開となりそうです。

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