今週のドル円:下げ渋りか/米中インフレ鈍化に警戒も、株価にらみ

1月7-11日のドル/円は下げ渋る展開を予想します。アメリカや中国の経済指標から減速が示され、世界の景気腰折れへの思惑から警戒の円買いに振れやすい見通し。一方、米利上げ停止の観測で株価が底堅い値動きとなれば、ドル売りを弱めそうです。

米CPIは1年超ぶり2%割れか

1月4日に発表されたアメリカの雇用統計は、平均賃金が前年比+3.2%(予想+3.0%、前回+3.1%、非農業部門雇用者数は前月比+31.2万人(予想+17.8万人、前回+15.5万人/修正後+17.6万人)といずれも想定を上回る堅調な内容となりました。ただ、失業率が3.9%(予想3.7%、前回3.7%)と半世紀ぶりの低水準から4カ月ぶりに悪化し、ピークアウトしつつあるとの見方が広がっています。


また、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長はこの日の雇用統計発表後、講演で国内経済の堅調ぶりを強調する一方で、今後の金融政策については柔軟に対応する方針を示しています。こうしたなか、9日に公表される連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月18-19日開催分)から先行きに対する慎重な意見が多ければ、FRBの引き締め停止の思惑を後押しするでしょう。


また、11日発表の米消費者物価指数(CPI)は前年比が+1.9%と予想され、2017年8月以来1年4カ月ぶりに2.0%を割り込む公算です。コア指数は+2.2%と見込まれるものの、景気拡大の頭打ちは否めない内容となり、利上げシナリオは下方修正を迫られそうです。足元はネガティブな材料に反応しやすいため、長期金利の低下にけん引されドルは先安観が強まるとみられます。

中国インフレ鈍化を嫌気も

10日に発表される中国の生産者物価指数(PPI)とCPIは、いずれも前回下振れが予想されています。21日の10-12月期国内総生産(GDP)も前回の前年比+6.5%を下回る+6.4%と想定され、減速感は鮮明になる見通し。そうした観測から中国人民銀行は4日、預金準備率の引き下げを決め、景気のテコ入れに乗り出していますが、相場全体の押し上げ効果は限定的でしょう。


ただ、FRBの利上げ方針のトーンダウンにより、株価が持ち直す可能性はあります。NYダウなど主要指数は水準を大きく切り下げていますが、反発する場面ではドルを下支えする見通し。また、パウエルFRB議長をはじめ複数の当局者が講演など発言の機会があり、弱気相場のなかでどのような見解を示すか注目されます。ドルは下値の堅さが意識されれば、ショートカバーもありえるでしょう。

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