今週のドル円:戻りは鈍い/ブレグジット否決後の警戒や米利上げ中止で

今週のドル/円は戻りの鈍い展開となりそうです。先行き不透明感で円買いに振れやすいなか、イギリスの欧州連合(EU)離脱合意案に関し議会の承認は困難とみられ、政局混迷が警戒される見通し。アメリカの利上げ中止への観測で、ドルの買戻しも限定的でしょう。

英下院採決に向け円買い先行

今週の焦点は、15日にイギリス下院で予定されるEU離脱合意案の採決。否決はすでに織り込まれ、ポンド売りに振れても想定通りなら大きく下げず、すぐに買い戻されるかもしれません。その後はメイ政権が否決後に議会に対して打ち出す代替策が注目されます。現時点では3月29日の離脱を延期する可能性も、ないとは言い切れなくなりました。そうなれば、リスク回避の円買いはいったん弱まるでしょう。


一方、野党が内閣不信任案を提出する時期も注目されます。労働党のコービン党首は「適切なタイミングで提出したい」と繰り返し述べています。保守党内の強硬派は党議拘束を破って野党の主張する解散・総選挙に同調するかがポイントです。逆に、強硬派は同調しないのなら政治生命が絶たれてしまうことにもなりかねません。その場合は社会主義政権の発足を覚悟する必要があり、ポンド売り/円買いは優勢となりそうです。

円買い一巡後の戻りは限定的

一方、14日は東京市場の休場で薄商いのなか、ドル/円は下値の堅さが意識されました。この日発表された中国貿易収支で輸出入がいずれも前回を下回り、減速は鮮明になっています。それを受け中国株や欧米株式の先物はマイナス圏となりクロス円は円買い基調となりましたが、ドル/円は108円台を維持。米中の貿易問題に関する協議が今後も閣僚レベルで引き継がれることが、懸念を和らげたようです。


とはいえ、戻りは小幅にとどまるでしょう。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がバランスシート正常化に言及しているものの、利上げ中止は回避できず今年ゼロの観測も広がり始めています。11日の12月消費者物価指数(CPI)は予想と一致したものの、頭打ちは否めません。今週の小売売上高やフィラデルフィア製造業景況感などの経済指標が低調になればドルの戻りを抑えそうです。

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